男子やり投げでジュリアス・イエゴ(26=ケニア)が91メートル39の今季世界最高で優勝したが、一度はファウル(無効試技)とされた判定が覆されて公式記録と認められた。

 トラックの中・長距離とマラソンで世界を席巻するケニアだが、フィールド種目のレベルは高くない。イエゴは3年前のロンドン五輪で12位となったときにユーチューブを見てトレーニングをしたと話し、英国メディアでは「ユーチューブマン」とあだ名された。

 イエゴの最終6回目は90メートルラインを大きく超えたがファウルと判定された。有効試技と認められる28・96度の扇形の範囲から、わずかに右に外れてやりが着地したと審判が判定したからだが、通常は引かれている境界線が90メートルより先は引かれていなかった。

 優勝は同じ6回目に88メートル18を投げた2年前のモスクワ世界陸上金メダリストのビツスラフ・ベゼリー(32=チェコ)。イエゴは3回目の86メートル53で2位が確定したが、大会終了20分後に主催者が判定を覆してイエゴの優勝となった。

 90メートルスローはアフリカ選手初で、世界でも4年ぶりのこと。91メートル39は世界歴代9位、2006年6月2日以降の7年間で最高記録だった。

◆今季の男子やり投げ

 イエゴの91メートル39が今季世界最高だが、ダイヤモンドリーグ・ドーハ大会に優勝したテロ・ピトカマキ(32=フィンランド)が88メートル62、バーミンガム大会2位のベゼリーが88メートル18とレベルが高い。

 昨年86メートル83の日本歴代2位をマークした新井涼平(23=スズキ浜松AC)が世界陸上入賞を期待されている種目だが、今季は腰痛で出遅れていて80メートル台を投げていない。