女子マラソンの92年バルセロナ五輪代表で第一生命陸上部の山下佐知子監督(52)が、東京五輪に向けた日本陸連強化委員会(伊東浩司委員長)の女子マラソン部長の有力候補であることが10月31日、分かった。五輪3大会連続入賞なしと低迷する女子マラソン界の再建を託される形。最終調整を残しているが、早ければ2日にも発表される。

 山下監督は、91年世界選手権東京大会で銀メダルを獲得。日本の女子マラソン界で初めて世界大会メダリストとなった。バルセロナ五輪も4位。引退後の96年に第一生命の監督に就任し、相手の個性に合わせた指導法で選手を育成してきた。09年世界選手権マラソン銀の尾崎好美は12年ロンドン五輪に、今夏のリオデジャネイロ五輪にはマラソンに田中智美、5000メートルに上原美幸と、2大会連続で3人の五輪選手を輩出。選手としての実績も指導者としての手腕も抜群でうってつけだ。

 女子マラソンは00年シドニー五輪で高橋尚子、04年アテネ五輪で野口みずきが金メダルを獲得したが、その後は世界との差が広がっている。リオ五輪では福士加代子の14位が日本人最高だった。地元開催の東京でお家芸を復活させるために、山下監督の手腕に期待が集まる。

 ◆山下佐知子(やました・さちこ)1964年(昭39)8月20日、大阪市生まれ。鳥取東高-鳥取大-京セラ-第一生命。マラソンでは91年世界選手権東京大会で銀メダルを獲得。92年バルセロナ五輪4位。96年に引退して、第一生命女子陸上部の監督に就任した。