全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)は27日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。3連勝中のデンソーはエースの高島由香(28)がチームを離れたが、若松誠監督は「クイーンズ駅伝の目標は優勝で変わりません」と言い切る。

 高島はリオ五輪1万メートルの代表となった日本のトップ選手。3区(10・9キロ)では2年連続区間賞で、昨年は区間新もマークした。その穴を埋めるのは容易でないが、前回のデンソーは2位に53秒もの差をつけて圧勝しているのだ。仮に今年の3区選手が区間10位と苦戦したとしても、前回の区間10位は高島から45秒後れのタイムだった。チーム7番目の選手が加わることになるので、総合タイムは45秒以上遅くなるのが普通だが、それをカバーする選手層の厚さがデンソーにはある。

 若松監督は「昨年のメンバーが5人いて、スーザン(ワイリム・24)が例年よりも調子が上がっています。新人の倉岡(奈々=19)に元気がありますし、橋本(奈海=24)は長い距離に取り組んでいて、まだまだタイムを縮められそうです」と自信を見せる。

 昨年6区(6・795キロ)で区間賞の橋本が今季、1万メートルで自己記録を大幅に更新。今年は1区(7・0キロ)候補に躍り出た。過去一度も本大会のメンバーに入っていない岡未友紀(22)も、5000メートルで自己新をマークした。頼もしいのが高卒1年目の倉岡で、3000メートルでアジアジュニア選手権に優勝すると、1500メートルで日本選手権8位に入賞。2区(3・9キロ)で力を発揮しそうだ。

 課題は最長区間の3区をどう乗り切るかだ。昨年1万メートルで31分56秒92と、リオ五輪標準記録を破った光延友希(24)が期待されていたが、故障の影響で今シーズンは好記録がない。3年前に3区を区間3位で走った水口侑子(31)は、北海道マラソン2位と活躍しているものの、トラックは練習の一環で出ているためスピードの確認ができていない。若松監督も3区がカギを握ると見ている。「光延は10月末のレースで復活してきましたし、水口は駅伝になるといつも良い走りができる。その2人が練習でも、どんどん良くなっています」 4連勝を達成すれば1989~92年のワコール以来、史上2チーム目の快挙となる。デンソーは「勝つ気がないと勝てません」(若松監督)と敢然と挑戦する。