降りしきる雨の中で、桐生祥秀(東洋大)が代表から滑り落ちた。10秒26で圏外の4位。6位山県とゴール後「また戻ってこよう」と誓い合った。リオ五輪の歴史的な銀メダルから約10カ月。山県とともにサニブラウン、多田の勢いにのみ込まれた。

 精彩を欠いた。スタートで出遅れて、多田に先行を許した。後ろからくるケンブリッジにも抜かれた。上体が反る悪癖が出て不発。「世界選手権をテレビで見ることになるのは悔しいですが、4番なので何を言っても仕方ない」と言った。

 6月上旬には欧州遠征を敢行。連戦の中でも日本選手権で3位以内に入る力があるはずだった。だが10秒0台を出した春先は練習を重ねて臨んだが、日本選手権は疲労回復が調整のメインとなった。「甘く見ていたわけじゃないが、日本選手権の後に世界選手権まで(練習期間が)1カ月あると。先のことばかり考えていたと思う」と桐生。今日200メートルの結果次第でリレーの可能性はゼロではないが「いけるパターンはないと思います」と潔く負けを受け入れた。【益田一弘】