男子マラソンの川内優輝(32=埼玉県庁)が「川内節」をさく裂させた。9日、滋賀・大津市内でびわ湖毎日マラソン(10日、皇子山陸上競技場発着)招待選手会見に出席。今秋の世界選手権ドーハ大会代表を目標に掲げた。日本記録保持者大迫傑らが途中棄権した3日の東京マラソンについて持論を展開。「私が同じような状況になったら、意識が続く限りはってでもゴールにいった」とした。

公務員ラストレースを前に、高ぶった。4月にプロ転向する川内が、寒さで大迫らが途中棄権した東京マラソンの感想を聞かれて「難しいですよね」。そして1月の大阪国際女子で転倒、出血も指導者に止められるまで走った福士加代子を例に早口でまくし立てた。

「プロは2種類ある。大迫選手のようにスパッとやめるのはよくあるプロ。福士さんみたいに走るのもプロ。私が同じような状況になったら意識が続く限りはってでもゴールにいった」

過去92度のフルマラソンで途中棄権なし。昨年1月には米ボストン近郊で全身をタイツに包んで目出し帽姿で激走。「雨はむしろ好き」と悪条件が大好きなベテランが持論を展開した。

闘志を燃やしている。「年寄りはもういい、みたいな感じがあるけど、案外ベテランも強いよ、という雰囲気にしたい。『日本記録更新は誰と誰しかできない』とか『4強(大迫、設楽悠、井上、服部勇)』という言葉に挑発されている気持ち」と目をぎらつかせた。

今大会を最後にプロになる。競技に専念すれば、課題のスピードがアップする可能性もある。9月15日「マラソン・グランドチャンピオンシップ」より世界選手権が優先だが、19年秋~20年春までの五輪ラスト1枠争いについては「スピードがつけば、いきますよ」と色気も。「夏を越えたら『みとけよ』という気持ちもある」と武者震いした。【益田一弘】