男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(27=ナイキ)が23日、自身のツイッターを更新し強烈な日本陸連批判を展開した。

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どちらの立場の肩を持つわけではない。今回は「強化委員会が特に推薦する本連盟登録競技者」という文言が物議を醸した。それは女子マラソンの騒動の歴史と同じく、曖昧さが生んだ火種だった。

92年バルセロナオリンピック(五輪)では女子マラソンで有森と代表を争った松野が発表前に「私を選んで下さい」と異例の会見。世界陸上4位の有森より大阪国際で好タイムを出していた松野が落選した。15年世界選手権は横浜国際Vの田中と大阪国際3位の重友が争い、記録は18秒遅かったとはいえ唯一の優勝者の田中が外れ、異論が続出した。

それらの背景にあったのは、複数の選考レースから「本大会で活躍が期待できる競技者」と具体性を欠いた基準で選んだ事。今回も構図は同じ。選考に限らず、明瞭さを失えば、不和の歴史は繰り返す。【陸上担当=上田悠太】