女子やり投げで、北口榛花(はるか、21=日大)が、衝撃的な一投で日本新記録の64メートル36をマークした。5投目で大きな放物線を描くと、従来の日本記録(海老原有希)63メートル80を50センチ以上もオーバー。今年の世界選手権ドーハ大会の参加標準記録61メートル50を楽々クリア。さらに20年東京五輪の参加標準記録64メートル00まで上回る会心の一投となった。

会場が大きくどよめく中で、記録を見た北口は両手で口元を覆って目を見開いた。そして両手を広げて、ジャンプして満面の笑みを浮かべた。「頼むからいっていて、と思ってました。64メートルという感覚はなかったです。今年は東京(五輪)とドーハの世界選手権をしっかり決められるように、と思っていた。1戦目で記録が出せてびっくりしています」とほおを赤く染めた。

北口は14年に高校総体、国体、日本ユースの3冠を達成。15年には日本陸連が制定した東京五輪での活躍が期待される「ダイヤモンドアスリート」にも選ばれていた。16年に日大に進学。右肘痛などもあって、リオデジャネイロ五輪には届かなかったが、大器がその能力を爆発させた。

なおこの日の64メートル36は、17年世界選手権ロンドン大会の6位相当の記録。今季世界ランキングでも6位にあたる。

北口は「これからも記録を伸ばしつづけて、世界でメダルがとれるように頑張ります」と意気込んだ。