男子は、島田が2時間13分2秒で7年ぶり2度目の優勝を飾った。1位と最大50秒差をつけられたが、4区以降で差を縮め、6区・大沢巧使(こうし、3年)が逆転。そのまま逃げ切った。

女子は、常葉大菊川が1時間13分42秒で2年ぶり6度目の栄冠。最終5区のアンカー対決を舞谷恵(2年)が制した。両校は、12月22日に京都で開催される全国大会に出場する。

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9秒差でタスキを受けた島田の大沢は、焦らずに自分のペースを保った。走り始めてから2・5キロほどで1区からトップの座を守っていた浜松日体に追いつくと、3キロ地点まで並走。以降、少しずつペースを上げて相手を抜き去り、最終7区の伊藤大晴(2年)につなげた。「男子のレース前に女子が負けた。その分も背負って、という思いで走りました」。

トップで譲り受けた伊藤は「抜かれないかと心配しながら走っていた」という。それでも、レース前に3年生から受けた「トップで渡すから、落ち着いて走ってくれたらいい」という言葉を励みに、ゴールへとまい進。優勝を決めるゴールテープを切った瞬間を振り返り「これは現実なのかなと思った」と笑った。

チームは、レース中も声をかけ合いながら1つにまとまっていた。伊藤は「走っている時にも声が聞こえて力になった。ワンチームで戦えたと思う」と胸を張った。鳥井潔監督(62)は「最近は女子が全国へ行くことが多く、思うものがあっただろうが、3年生を中心によくやってくれていた」と振り返った。昨年の女子に続く都大路へ向けて「子どもたちが、良い経験になったと思えるようなレースにしてやりたい」と話した。【河合萌彦】