男子800メートルの高校記録保持者で、9月から米国の強豪テキサス農工大に進学するクレイ・アーロン竜波(18=相洋AC)が1分52秒20で予選9組を1着で通過した。

最初のコーナーを曲がり終えた時点で先頭に立ち、終始引っ張った。最後までトップを譲らず、明日25日の準決勝に進んだ。実戦は3月のオーストラリアでのレース以来。「久しぶりできつかったですけど、楽しかった」と笑った。

コロナは米国でも猛威を振るっている。それでも、予定通り8月には渡米できる見込みという。授業は対面とオンラインの「ハイブリッド」になるそうだが、ひと安心だ。コーチとも連絡を取り続ける。「覚悟を持って前に行こうと思っています」と決意をにじませた。自宅ではアメリカ人の父と英語で会話。語学面に不安はない。加えて今は競技の専門用語の勉強にも励み、昨秋の世界選手権メダリストも輩出した強豪の中に、少しでも早くなじめる準備を整えている。

クレイは昨年6月の日本選手権で高校新記録となる1分46秒59で優勝している。今、目指しているのは東京オリンピック(五輪)の参加標準記録1分45秒20だ。「自分に必要なことをやっていけたら。もともと今年の上半期に五輪の参加標準記録を切るつもりだった。東京五輪を本気で目指していた。1年延期で余裕ができた。変わらず、来年へ向かいたい」と頼もしい。1年延期。それは伸び盛りの18歳には大きな大きな意味を持つ。