学法石川(福島)陸上競技部は、藤宮歩と山口智規の2年生ダブルエースが超高校級を目指す。昨年12月の全国高校駅伝(都大路)は、ともにルーキーで出場し、5位入賞と県勢最高タイム更新に貢献。スピードに特化した指導方針のもと、ライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)する。「フジヤマコンビ」の憧れはOB遠藤日向(22=住友電工)。在学中に国体長距離3連覇など、絶対王者だった偉大な先輩の背中を追う。

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全国に名をとどろかせる世代屈指の存在だ。藤宮は昨年10月、国体の少年男子B(中3、高1)3000メートルを自己ベスト8分19秒45で制した。中2時にジュニア・オリンピック(五輪)の男子B1500メートルで優勝。中3時に全国中学校体育大会(全中)3000メートル優勝、1500メートル準優勝と実績を残してきた。

しかし、学法石川入学直後の昨春は、以前から抱える股関節の違和感で練習を休み、回復に時間を割いた。同夏から走れるようになり、国体優勝で完全復活を証明。「絶対優勝するつもりだった。やっと結果が出てうれしかったし、ホッとした」。昨年末の全国高校駅伝は5区(3キロ)で区間6位。「タイムがまだまだで悔しい」。今年の都大路は区間賞でリベンジする。

速さを追い求め同校に進学した。「福島県の強豪で(遠藤)日向先輩や箱根駅伝で活躍する先輩方がいて、スピードに特化されたチームで憧れていた」。刺激を受けるOB遠藤が持つ3000メートルU20日本記録の7分54秒79を意識し「7分台が目標」。さらに5000メートルは「13分台を目指す」。自己ベスト14分37秒57の大幅更新に挑む。

新型コロナウイルスの影響で部活ができなかった期間は、体がぶれないフォームに修正すべく体幹を重点的に強化し「いい感覚になってきた」。トラックでの手応えも上々。将来は五輪出場やマラソン挑戦を見据える。日本を代表する最強ランナーへの道を着実に歩む。【山田愛斗】

◆藤宮歩(ふじみや・あゆむ)2003年(平15)7月30日生まれ、郡山市出身。小4から陸上を始め、小5で長距離に転向。小6ではサッカーも経験。大槻中では陸上部。昨春、学法石川入学。高1で出場した秋の県新人戦で1500メートル3位、5000メートル2位。家族は母と妹。168センチ、54キロ。