東京パラリンピックマラソン代表に内定している堀越信司(ただし、32=NTT西日本)が、健常者に交じって男子5000メートルのタイムレースに出場した。タイムは15分17秒74だった。「14分台を狙って力が入り過ぎた。タイムを意識しすぎてはじめの400が速くなりすぎた」と猛省した。

長野県出身で生まれつき弱視。中学から特別支援学校に進学するため親元を離れ1人で東京に移り住んだ。元々両親の勧めで水泳をしていたが、「東京では自分がやりたいことをしたい」と陸上を始めた。12年のロンドンパラリンピックでは5000メートルで5位。16年リオではマラソンで4位と着実に実力を伸ばしている。現在の視力は0・03程度。伴走者は必要なく、新型コロナウイルスでトラックが使用でいないときでも、街中を1人黙々と走り続けた。今大会では51人中33位だったが、来年の大舞台に向けて「金メダル。家族や職場の方など応援してくれている人がいる。感謝の気持ちを伝えるには金を取って結果を出す」と力を込めた。【南谷竜則】