新成人を迎えたアスリートが成人の日に誓いを立てた。多くの自治体が成人式を中止するなど、新型コロナウイルスの影響を受けた成人の日。各競技で活躍する道産子アスリートが、20歳の決意を語った。

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陸上女子走り幅跳びのホープ小玉葵水(あみ=東海大北海道2年)は、新成人として迎える今季に強い決意をにじませる。「昨年は日本選手権でメダルを取れなかったので、インカレだけじゃなくて日本選手権でも表彰台に上りたい」。今年は8日に男子走り幅跳び日本記録保持者の城山正太郎(25=ゼンリン)を輩出した同大で始動。シーズンインに向けて鍛錬を重ねていく。

昨季は飛躍の1年だった。2年前の白樺学園3年時に記録した5メートル99の従来の自己記録を19センチも更新した。「(6メートルを)1回跳んじゃったら超えられるようになった」。跳躍につながる助走を見直したことで安定感が増して、8月の全十勝選手権で初の6メートル超えとなる6メートル15を記録。以降は5大会連続で6メートル越えと安定感が増した。「今まで以上に自分に自信がついた。緊張で本番に跳べないとかはなく、いつも通りできるようになった」。9月には日本学生対校選手権で2位になり、10月に初出場した日本選手権で5位と躍進した。

1人暮らしを始めた大学入学後は環境の変化もあり、1年時は成績が伸びなかったが、現在は栄養を考えたメニューを自炊し、アルバイトもせずに競技に打ち込んでいる。コロナ禍で大学の活動が停止した際には地元帯広市に戻った。「自分を見つめ直す良い時間になった」。07年世界ユース優勝、日本選手権5度出場の実績ある小西康道監督(30)が指導する母校で後輩に交じり汗を流し続けた。

同学年には自己記録6メートル44を持つ20年日本選手権優勝の高良彩花(筑波大2年)がいる。高校総体3連覇、高校2、3年時には日本選手権を連覇した実力者に、高校時代は「全然手が届かない存在だと心のどこかで思っていた」。それでも昨年、日本女子トップとの距離も縮まり「今だったら勝てないことはないと思えるようになった。負けたくない」と背中を追い続ける。

「将来、何したいとか今までなかったけど、陸上を続けたいなという気持ちはある。実業団に入って陸上がしたい」。抱き始めた思いを実現するためにも、冬場にはトレーナーのもとで上半身のウエート強化に重点を置きながら練習を重ねている。7日に訪れた初詣では「ケガなく、今年も1年間陸上が続けられるように」と願った。「今年は6メートル35は飛びたい」。昨年の日本選手権優勝記録は6メートル32。自己記録を更新する先に、日本の頂点も見えてくる。【浅水友輝】