東京五輪5000メートル代表の田中希実(21=豊田自動織機TC)が、4分10秒14で優勝した。

序盤は後方につけ、残り2周から前へ。ラスト1周でギアを上げたが「内容がちょっとごちゃついた。ラストが上がりきらなかったので、100点満点のレースではなかった。70点ぐらいです」と自己評価した。

自己ベストは日本記録の4分5秒27。1500だけでなく、800、3000メートルにも出場しながら、連戦をこなしている。その中でも自らに課すハードルは高く「(終盤に)脚が固まって、後ろを気にしながら走っていた。精神的に弱いところ。出し切る部分ができなかった。(4分)10秒が切れなかった」と笑顔はなかった。

いよいよ本格化する東京五輪シーズン。1500メートルへの思いも強い。

「5000(メートル)は内定している。あまりいろいろな種目で狙いすぎるのも、逆にぶれてしまう。『1500(メートル)で(五輪出場の)権利にまっしぐら』という感じではないですが、1500をすごく大事にしている。1本1本を大事にした結果、権利が得られたら、五輪でも、しっかりと走りたいというのがある。恥ずかしくないレースをこなしていきたいです」

5月中旬まではレースが続く。真夏に戦う下地を作りながら、2枚目の切符に近づいていく。【松本航】