男子100メートルを山県亮太(28=セイコー)が制し、復活への第1歩を刻んだ。

決勝は追い風0・1メートルの条件下、10秒14を記録。序盤から桐生祥秀(日本生命)らライバルを引っ張る展開で「地元広島のレースで優勝して、久しぶりにすごくうれしいレースになりました」と喜びをかみしめた。

19年には腰を痛め、右足首の靱帯(じんたい)も断裂。昨年は右膝痛と過去2年は苦しい時間だった。この日は予選で10秒29(追い風1・0メートル)を記録し「2本走って、自分が思っているものに近かった」。修道高卒業まで過ごした故郷で、温かい拍手に包まれた。

東京オリンピック(五輪)参加標準記録は10秒05。同記録を突破し、日本選手権(6月、大阪)で表彰台に立てば、3大会連続五輪が内定する。記録への距離感を問われると「これから体も仕上がる。十分、射程圏内に入っている」とキッパリ。ここからは前へ、前へと進んでいく。