女子3000メートル障害決勝(1部)で、19年世界選手権代表の吉村玲美(21=大東大)が10分15秒26で優勝した。

1周から格の違いを見せて独走するも、タイムに納得できなかった。「本当に悔しい思いが大きい。こんなに遅いタイム。自分の中でもビックリ」。後半に課題を残し、優勝の喜びよりも、悔しさが先行した。

東京オリンピック(五輪)の参加標準記録(9分30秒00)は突破していないが、世界陸連のランキングでは日本人最上位の35位。45位以内を維持した上で、日本選手権で3位以内に入れば、代表に決まる。吉村は「東京で開かれる五輪に近いところにいる。大学生で代表になることができれば、いろんな学生に夢を与えられる。勇気づけられる存在になりたい。日本代表をつかみとりたい」と決意を述べた。

ただ、ランキングのポイント争いは接戦だ。順位を維持するためにも、日本選手権は3位以内を目標にするのでなく、優勝をしておきたいところ。日本人も37位に山中、43位に藪田、44位に石沢と控える。吉村は「優勝しないといける確率は下がってしまう。とにかく日本選手権では優勝したい」。残り1カ月。その大勝負まではレースの出場を抑える。力を蓄え、五輪の切符をつかみ取る。