09年世界選手権男子やり投げ銅メダリストの村上幸史(41=テック)が現役引退を表明した。

全日本実業団対抗選手権で68メートル63の15位だった後、「今日は最後だった。昔から一緒の舞台でやってきた選手達と一緒に競技をできて幸せでした。1投1投かみしめて、たくさんの仲間とやりを投げられてよかった」と述べた。日大を退職し、近年は兵庫県などで練習をしていた。まれに記録会などに出場していたが、このたび完全に選手としての区切りを付けた。

投てき種目で世界選手権のメダルを獲得したレジェンド。五輪には04年アテネから3大会連続で出場し、12年ロンドン大会では日本選手団の主将も務めた。自己ベストは85メートル96で、日本選手権は12連覇を含む、13度の優勝。圧倒的な強さを誇った。次世代へのメッセージも残した。

「なかなか僕より強い選手が現れない中で競技をやってきた。こうして80メートルがが当たり前になり、観客の皆さんも納得してもらえないのはすごいこと。切磋琢磨(せっさたくま)して、もっともっと世界を見据えてやってもらえれば、これは見てる側からすれば幸せ」

今後については未定だが、「陸上競技に携わっていければ、それが一番幸せ」と話した。