青学大は、史上最少の8秒差で、18年以来3度目の優勝を逃した。最終の8区で競い負けた飯田貴之(4年=千葉・八千代松陰)は、ゴール後、悔しさで号泣。声にならない声で雄たけびを上げ、「最後、僕が勝っていれば」と、うつ伏せになり起き上がれなかった。

原晋監督は、「悔しいですね。勝てるチャンスがいくつかあった」と残念がった。「2つの区間で、区間2桁順位ではやはり優勝できない」。2区の中村唯翔(3年)が区間14位、6区の若林宏樹(1年)が区間12位に沈んだのが誤算だった。ただ、それも「今回の敗戦は監督の采配ミスと認識」と、監督自身は自らを律した。

層の厚さで、2位はキープしたが、レースを通じて、強豪の青学大が1度も首位で区間を通過できなかった。7区のエース、近藤幸太郎(3年=愛知・豊川工)が田沢に次ぐ50分54秒の好タイムで区間2位。8区の飯田も追い上げ、8キロ過ぎで首位の駒大・花尾恭輔(2年=長崎・鎮西学院)をとらえ併走が続いた。最後の2キロで、花尾のスパートについて行けず、惜しくも敗れた。

しかし、いくつか手応えもあった。1年で箱根駅伝2区にデビュー。区間5位と好走した岸本大紀が復活したことだ。2年の昨季は故障で満足に走れず。その岸本が3区で区間3位で走り、原監督も「駅伝男が完全復活」と、悔しさの中にも箱根に向け笑顔を見せた。