1区(12・3キロ)は、九電工の船津彰馬が区間賞を獲得した。34分41秒だった。

12キロ手前でYKKの森山真伍を追い抜き、一気にラストスパート。トップで2区へタスキを渡した。

船津は「昨年は(1区で)区間28位と悔しい結果に終わったので、もう1回1区に出て、負けた選手に勝てるようにと練習してきた。自分の力を信じ、自信を持ってトップで渡すんだという気持ちで走りました」。

東京五輪の5000メートル代表の富士通・松枝博輝と一緒に米国合宿をするなど親交がある。その松枝を後方に置いてのラストスパートに「松枝さんが一番怖かった。前に出た時、早かったかなと思った。(松枝さんの)実力を知っているので、負けたかと思ったけど、我慢して逃げ切った。区間賞が取れて良かったです」と安堵(あんど)の表情だった。松枝は3位だった。

船津は中大時代、箱根駅伝の1年生主将として注目を浴びた実力派選手。卒業単位が足らず、コロナ禍で福岡の自宅にいながらオンライン授業を受け、半年遅れで20年10月に九電工に加入した。

22年最初の駅伝で幸先よく区間賞を取り、7月に世界選手権(米オレゴン州ユージン)も控える年に飛躍を感じさせる走りだった。