陸上女子100メートル、200メートルの日本記録保持者で、先月29日に現役引退を発表した福島千里さん(33)が25日、スポーツマネジメント会社「SARCLE」と契約を結んだと発表した。

08年北京大会からオリンピック(五輪)3大会参加の実績を持ち、世界選手権にも4度の出場を誇る女子短距離界の顔。同社と契約するサッカー元日本代表の内田篤人氏と14年ごろリハビリ施設で出会ったことが縁で「アスリート仲間として交流させていただいておりました内田さんが所属されており、今回引退を決意する際に内田さんに相談をさせていただいた縁で、お世話になることになりました」と経緯を説明した。

続けて、第2の人生に期待を膨らませるコメントも寄せた。

「10歳から23年間、走り続けた競技生活を終え、これからの新たな人生はワクワクとドキドキでいっぱいですが、陸上競技生活で得た経験を生かして活動していきたいと思います」

「日本全国への陸上競技の普及活動、私の日本記録を超え世界のトップで戦える選手の育成、強化はもちろんのこと、今までの陸上競技生活で培ったものを生かして、メディアを含め、いろいろなことにチャレンジして自分自身の幅を広げるとともに、陸上競技の素晴らしさを多くの方に伝えられるように頑張っていきますので、引き続き応援していただけるとうれしいです。これから始まるセカンドキャリアも私らしく走っていきたいと思います」

同社とは、内田や同じくサッカー界を代表する選手の小野伸二、大迫勇也、南野拓実、乾貴士らが契約を締結している。

◆福島千里(ふくしま・ちさと)1988年(昭63)6月27日、北海道幕別町生まれ。帯広南商高卒業後、北海道ハイテクAC入り。中村宏之監督の指導で頭角を現し、08年4月の織田記念国際で当時の日本記録に並ぶ11秒36をマーク。08年北京五輪では日本女子として56年ぶりとなる100メートルに出場した。11年の世界選手権大邱(韓国)大会では、100メートルと200メートルの2種目で日本人女子史上初の準決勝進出。五輪に3度、世界選手権には4度出場。17年のプロ転向を経て、18年1月にセイコー入社。自身の持つ日本記録は100メートル11秒21(10年)、200メートル22秒88(16年)。昨春、順大大学院に進学し、スポーツ医科学などを学ぶ。

◆株式会社SARCLE 東京都渋谷区。代表取締役社長は秋山祐輔氏。事業内容はアスリートの契約・移籍交渉、肖像権管理、スポーツ教室の企画・実施、広告、PR、イベント、メディア等の企画・制作