コロナ禍で2年連続中止となっていた仙台国際ハーフマラソンが、19年以来3年ぶりに号砲を迎えた。男子はアレクサンダー・ムティソ(25=NDソフト)が、1時間1分8秒で優勝。箱根駅伝で活躍した“3代目山の神”神野大地(28=セルソース)は、1時間3分12秒で11位だった。女子は東京オリンピック(五輪)マラソン代表の前田穂南(25=天満屋)が、自己ベストと同タイムの1時間9分8秒で頂点に立った。

神野が新緑の杜(もり)の都で確かな手応えをつかんだ。自身2度目の仙台ハーフ。ひとつの目安だった1時間2分台に届かなかったが「今日はタイムよりも、タフなレースを経験する目的があったので、それを経験できたのはプラスでした」。カーブや坂が多く、3つの折り返し地点があり、ランナーにとっては難コース。「ハーフもいろんな大会を走りましたけど、一番タフだと思います」。レース前半の腹痛を乗り越え、11位でゴールした。

「苦しいレースで我慢しつつという感じで、最後はもう少し粘れれば良かったですが、今季初レースで練習の現状確認というのもあり、最低限まとめられたのは良かったです」

昨年12月の防府読売マラソンで初のサブ10(2時間10分切り)を達成した。2時間9分34秒の自己ベストで2位。24年パリ五輪の代表選考会で23年秋開催予定のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)出場権を獲得した。「MGCで勝つのが最大の目標です」。今大会は苦しい展開で粘り、あえて自重するなど「レースでしか経験できないことを感じられた」。今後は7月の函館ハーフマラソン、秋はフルマラソンに出場予定だという。

青学大3年時に出場した15年の箱根駅伝では、山登りの5区で区間新記録を打ち立てた。平地を走るような圧倒的な走りで“3代目山の神”を襲名。同大初の総合優勝に貢献し、翌年も区間2位の快走で2連覇の原動力になった。

「大学で箱根駅伝を優勝し、いろんな人に注目してもらい競技をしてきて、その結果を超えられるのは、やっぱりオリンピックしかない。僕自身、なかなか思うような結果が出てないですが、諦めずにその目標を達成したい気持ちは強い。さらなる覚悟を持ち、挑戦していけたらと思います」

花の都パリで強い神野を見せる。【山田愛斗】

○…前田穂南(自己ベストと同タイムで独走優勝)「久々のレースでどれぐらい走れるか分からなかったが、自己ベストに近い走りができて良かったです」