陸上女子やり投げで7月の世界選手権で銅メダルを獲得した北口榛花(24=JAL)が20日、拠点であり転戦していた欧州から凱旋(がいせん)帰国した。

日本女子の投てき種目で初のメダルを手にしてから2カ月。米国での世界一決定戦を終えると、そのまま練習拠点のチェコに戻り、世界最高峰リーグのダイヤモンドリーグ(DL)で戦ってきた。今月8日、最終戦ファイナルで3位で一区切りとし、日本に戻ってきた。

「お久しぶりです。今回は空港まできていただき、ありがとうございます」。初めてという羽田空港内での記者会見でマイクを握り、冒頭からトレードマークの笑顔が映えた。

世界選手権では入賞を目指して3位。ファイナルでは優勝を狙って3位。同じ順位でもうれしさ、悔しさは違ったという。「そう簡単には、世界のお姉さま方は勝たせてくれなかった」と歴戦の強者たちに敬意を示した。

長く、その「お姉さま」の1人でもあった、世界記録保持者(72メートル28)のシュポタコバ(チェコ)が今月、41歳で引退を発表した。「私がチェコに行った理由でもある」という偉人。最後のシーズンを共に過ごすことなった。

周囲からは世代交代の主役の1人としても期待されるが、ただ、北口は焦ってはいない。「競技人生長く、それこそ、シュポタコバまでいったらきついんだけど、それくらい長く競技を続けると思って、気長に」と見定める。「じっくり、ゆっくり」がテーマだ。

自身が持つ日本記録(66メートル00)、さらに70メートル超えも見えるが、「70メートルはまったく別物かな。もう少し時間がかかる」と落ち着いて話す。

まずは久しぶりの日本で元気な姿を見せたい。「日本で試合に出ようと決めたのも、日本の陸上ファンのみなさんにこの機会に会えるチャンスを作れれば良いなと思って。いましか自分の、注目してもらえるチャンスはないと思うので、いまだからできることをやりたいなと思ってます!」。声は弾む。

さっそく、23日開幕の全日本実業団選手権(岐阜)に出場を予定する。その後は10月1、2日に開催されるアスレチックチャレンジ杯(新潟)、同月6日開幕の国体(栃木)と連戦する。