アップデートした女王が、横浜でビッグスローを見せる。国内外のトップ選手が集う「セイコーゴールデングランプリ(GGP)陸上2023横浜」(日刊スポーツ新聞社共催)が21日に日産スタジアムで行われる。女子やり投げには、昨夏の世界選手権で銅メダルを獲得した北口榛花(25=JAL)が出場。この大会は2連覇中で「(練習時から)自分のベストを更新できるように努力してきた」と自信をのぞかせる。

今季は好スタートを切った。初戦の4月29日織田記念で、いきなり8月の世界選手権(ブダペスト)参加標準記録(63メートル80)を超える64メートル50をマーク。昨年の同選手権入賞以内で日本人最上位という条件もクリアし、早々に代表に内定した。今月6日の木南記念でも64メートル43を記録。好調ぶりが数字に表れているが「去年からトレーニング内容は変えてない」という。

練習法は変えず、質を高める意識が土台にある。「(同じ練習の)クオリティーを上げて、それが出来た時に次のステップに進む」。冬季に週1回行う短距離走では、最短100メートル、最長250メートルを全力疾走。例年通りの練習だが、短距離専門の選手から「僕たちよりも走っているね」と声をかけられるようになった。これが助走速度の安定にもつながり「(調子の)波がなくなってきた」と手応えを得ている。

周囲からの高まる期待も「たくさんの人に応援していただいている実感があってうれしい」と、笑顔で力に変えている。セイコーGGPでは「できれば日本記録ぐらいを投げられたら」と、自身が持つ記録(66メートル00)更新も見据えた。【藤塚大輔】

◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日、北海道旭川市生まれ。3歳で水泳を始め、小6時にバドミントンの全国大会で団体優勝。旭川東高1年時まで競泳と陸上の二刀流。19年10月に66メートル00の日本記録樹立。22年7月の世界選手権で、日本女子の投てき種目では史上初のメダルとなる銅メダル獲得。父幸平さんはパティシエで、ヘーゼルナッツが実る「榛(ハシバミ)」が名前の一文字に。

【セイコーゴールデングランプリ陸上2023横浜】

◆日時 5月21日(日)午後1時30分競技開始

◆会場 日産スタジアム

◆大会HP http://goldengrandprix-japan.com

〈主催〉日本陸上競技連盟〈共催〉朝日新聞社、日刊スポーツ新聞社〈後援〉TBSほか〈特別協賛〉セイコーグループ