男子3000メートルで日本中学記録を持つ学法石川・増子陽太(1年)が、5000メートルで14分31秒48の3位に入った。

「自分の気持ちに負け、3年生の先輩2人にも負けてしまい、課題が残るレースだった」。優勝した帝京安積・谷中晴(3年)と2秒48差、2位いわき秀英・植村真登(3年)とは0秒60差。悔しげな表情でのゴールとなった。

スローペースでレースは進み、増子は先頭集団で周回を重ねた。通過タイムは1000メートルが2分59秒、2000メートルが5分52秒、3000メートルが8分56秒、4000メートルが11分53秒。だが、谷中が残り1周(400メートル)の鐘とともにスパートをかけると反応できず。みるみる差は広がり、残り100メートルで植村にもかわされた。

鏡石中3年時は3000メートルで無双した。東北中学陸上で8分15秒04をたたき出して頂点に立つと、従来の日本中学記録を約2秒更新。全日本中学陸上も制した。さらに栃木国体では8分11秒12をマークし、自身の記録を塗り替えた。学法石川入学後も4月の記録会で、5000メートル初出場ながら14分10秒51を記録。今後は「どんなレース展開でも13分台を出せるようになりたい」と照準を定める。

今夏の全国高校総体(インターハイ)につながる東北高校陸上(6月15~18日、山形)への出場を決めた。「今まで中学校で輝いた自分を1回捨て、高校生にはどのような選手がいるのかを確かめたい。目標が低いと思われるかもしれないが、まずはインターハイに出場したい」。3年生で日本一に輝くという青写真を描き、1歩1歩前進していく。【山田愛斗】

○…学法石川が女子1500メートルでワンツーフィニッシュを飾った。佐藤美空が4分30秒53で優勝、山田桃子(ともに3年)が4分31秒83で2位。2人で先頭を入れ替えながらレースを引っ張り合い、残り300メートル付近で佐藤が前に出て逃げ切った。「2人で取った1位」と山田に感謝し、今後に向けては「1500メートルでインターハイの上位に入れるように調子をどんどん上げていきたい」と意気込んだ。

▽いわき光洋・菅野凌平(3年=男子100メートルを10秒57の大会新で優勝)「もとから自分に自信があって、練習通りに試合がうまくいった。自分の強みであるスタート、前半の加速がはまり、1位、大会新までいけた」

▽福島成蹊・谷口紗菜(3年=女子100メートルを11秒96の大会新で優勝)「先生からは『東北(陸上)で勝たないと意味がないから通過するぐらいの気持ちで』と言われていて、大会記録は出そうと思ってなかったが、出ました」