森本麻里子(28=内田建設)が、24年ぶりに日本記録を更新する14メートル16で5連覇を飾った。従来の記録14メートル04(花岡麻帆)を12センチ更新した。森本は「素直にうれしい。1人の力でなく、支えてくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいです」。地元大阪での新記録に「中学の恩師やお世話になった方の前で跳べてうれしかった」と涙を浮かべた。

5回目に追い風0・7メートルの条件下で助走に入った。「助走の6歩で、お尻周りの筋肉を使えた。ドドドと(自分の足)音が聞こえた」。課題だったポップでの空中動作で、体をコントロール。きれいにステップに入って、大ジャンプにつなげた。着地した際に、両拳を握って、大きく手をたたいた。

「思ったよりも、周囲のお客さんが『おーっ』といってくれて。自分でも『おー』と思った」

19年までは冬季競技のボブスレーにもチャレンジしていた。現在は陸上1本だが「ボブスレーの時にドイツ人のコーチを紹介してもらって。毎日のメニューをもらっています」。日本記録を目指すために、基礎体力の向上など地道な努力を続けて、助走スピードがアップ。その速さを跳ぶ技術につなげたことで、24年ぶりの日本新が生まれた。

本来は前日2日に競技が予定されていたが、大雨の影響で1日延期となった。晴天の中で大ジャンプを見せて「いい天候でできて、感謝の気持ちです」と笑った。

「歴代の先輩方が築いてきたものを更新できて、受け継いで、また皆で3段跳びを盛り上げていきたい」と今後を見据えていた。【益田一弘】