4日に閉幕した日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)の女子100メートル障害で、2年ぶり5度目の優勝を飾った寺田明日香(33)が5日、所属先のジャパンクリエイト(大阪)を訪問した。同社やファンの支えが力になったといい「その一押しが私を1歩前に進ませてくれた」と感謝。長女果緒さん(8)とともに、笑顔で記念撮影に応じた。

今大会は4位までが12秒台と熾烈(しれつ)な争いとなった。寺田もなかなか眠りにつけなかったり、食べ物が喉を通らなかったりする中、決勝で12秒95(向かい風1・2メートル)をマーク。2位の青木益未(七十七銀行)を0秒007差で振り切った。「競り勝てたということに関しては、冷静に自分の走りができたのかな」と控えめに胸を張った。

果緒さんへも金メダルをプレゼント。「喜んでくれるのはすごくうれしいな」と優しいまなざしをたたえた。19年の同選手権で獲得した銅メダルは「どこかに行ってしまって…」と“捜索中”。夫の峻一さんとともに「家族3人で発掘作業をしようかな」と笑い飛ばした。

今回の選手権で3位以内に入ったことで、8月の世界選手権(ブダペスト)へ前進。出場資格を得るには7月30日までに参加標準記録(12秒78)を突破するか、8月2日以降に確定する世界ランキングでターゲットナンバー(出場枠の目安)以内に入る必要がある。

かねて寺田は参加標準記録を突破しなければ、世界選手権への出場を取りやめる意向を示していた。この日は「基本スタンスは標準を出していきたい感じ」としながらも「ちょっと大事に考えていこうかなと思っています」と慎重に判断することを強調した。

今後は今月25日の布施スプリント(鳥取)や7月のアジア選手権(12~16日、タイ・バンコク)への出場を予定している。