<陸上:ダイヤモンドリーグ最終戦バンダム記念>◇7日◇ベブリュッセル

 男子400メートルは残り100メートルで5人が横に並ぶ混戦となったが、双子のボルリー兄弟(ベルギー)がワンツーフィニッシュを決めて地元ベルギーの観衆を歓喜させた。勝ったのは弟のケビン(24)で44秒75。年間の総合得点で争うダイヤモンドリーグ・ツアーチャンピオンにも輝いた。「シーズンの最後で疲れていても、こんな大勢の観衆に応援されたらどんな選手も喜びを感じて走ることができる。そのなかでも今日は、僕が一番モチベーションが高かった」

 ツアー優勝賞金は4万ドル。その獲得をアシストした形になったのが45秒02で2位になった兄のジョナサン(24)だ。ジョナサンが下位に沈んでいたら、ロンドン五輪銀メダルのルグーリン・サントス(18=ドミニカ共和国)が3位に入り、年間ポイントでケビンを上回った。

 賞金を2人で分け合うのか、という質問にジョナサンは「そのことはまだ話し合っていないけど…」と言葉を濁した。「僕は自分のやることをやったら2位になっただけ。どの選手も疲れていたけど、ケビンが最後に加速する余力と、競り勝つだけの欲求を持っていた」

 賞金よりも競技の話をしたいようだった。