8月のモスクワ世界陸上代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソン(27日・長居陸上競技場発着)の招待選手記者会見が25日、大阪市内で開かれた。注目は、過去2度の今大会で辛酸をなめた福士加代子(30=ワコール)と、前日本記録保持者の渋井陽子(33=三井住友海上)。体調不良で欠場する野口みずき(34=シスメックス)との“アラサートリオ”結成はならなかったが、それぞれの思いをロードに刻む。

 渋井の表情が引き締まった。「ここでやめるとか全然、考えてない。心から“いいな”と思ったらスパッとやめる」。昨年3月の名古屋4位で世界再挑戦を決意した。同時に、今回が集大成のレースになるかもしれない。鮮烈デビューから12年。01年大会で当時の初マラソン世界最高記録(2時間23分11秒)を樹立。04年のベルリンでは2時間19分41秒の日本記録をマークした。だがマラソンでの世界舞台は01年世界陸上4位だけ。故障にも悩まされ続けたが、今回は違う。年末年始に2度の中国合宿を行い10カ月かけて体も絞った。「このメンバーで走るのは最高に楽。リラックスして仲良く走って、でも後半は知りませんが」と不敵に笑った。