11年世界選手権銀メダルの小塚崇彦氏(28)が、ジャンプの特徴を解説する今回はフリップとルッツ。4回転フリップは、昨年4月の3大陸対抗団体戦で宇野昌磨が成功させて、国際スケート連盟によって史上初と認定された。4回転の基礎点は、6種類中3番目の12・3点。右足のつま先をついて、左足のブレード(刃)の後方内側で踏み切る。 小塚氏 ステップの中にスリーターンというものがあります。左回転で大きな円を描く途中で、同じ回転方向で小さな「3」の字を描く。その小さな3の字の部分を、ジャンプして空中で回るのがフリップです。

 4回転ルッツは、11年にブランドン・ムロズ(米国)が初めて成功させた。右つま先をついて、左足の刃の後方外側で跳び上がる。基礎点は6種類中2番目の13・6点。4回転半は世界で成功例がないため、現時点で最高難度のジャンプといえる。チェン、金博洋が得意で4回転ルッツ-3回転トーループの連続ジャンプは出来栄え点も含めて20点を超えることもある。

 小塚氏 ルッツはカウンタージャンプといわれています。ステップでカウンターターンというものがあり、右回転して左回転に切り替える。切り替えて、逆回転する部分が空中にいったと考えてもらえばいい。

 この2つは、右つま先をついて左足で踏み切るのは同じ。ポイントは踏み切りで使う左足の刃の傾け方だ。フリップは内側(イン)を、ルッツは外側(アウト)を使う。左足首が体の内側に傾けばイン、外側に傾けばアウトになる。この位置が逆になると踏み切り違反(Wrong Edge)として「e」マークがついて減点の対象。基礎点の70%しか得点が認められない。違反でなくてもあいまいな場合は「!」(アテンション=注意)のマークがつく。【益田一弘】

フリップ
フリップ
ルッツ
ルッツ
4回転ジャンプの基礎点
4回転ジャンプの基礎点