左から南隼人さん、窪島剣璽会長、後藤隆志副会長

ブラジル生まれのビーチスポーツ「フレスコボール」の国内最高峰大会「ビオレUVアスリズムフレスコボールジャパンオープン」が9月25～26日、千葉・稲毛海浜公園で行われる。

2人１組のペアがラケットでボールを打ち合い、ラリー回数や技術で得点を加算する「思いやり」の競技。2013年に一般社団法人日本フレスコボール協会が設立されて以降、老若男女が取り組める特性もあり、競技人口は約5000人まで増えた。

今回は全国から集まる個性豊かな注目ペアを、長年フレスコボールに携わる同協会の窪島剣璽会長（47）、後藤隆志副会長（46）と大会MCの南隼人さん（38）の3人がピックアップ。優勝者が日本代表の栄光をつかむ。

※フレスコボールのルールはこちら

MIXこれぞブラジル流ラリーが必見

芝（右）、岡井ペア

後藤副会長がエントリーリストを眺めて上げたのは、芝卓史、岡井花子ペアだ。

男女がペアを組むMIXカテゴリー。芝はブラジルの大会で優勝を目指し、岡井は同国で単身武者修行した経験がある。その魅力を後藤副会長が説いた。

「2人のプレースタイルは『剛よく柔を制する』と言えるでしょう。まさにブラジル流。臆することなく相手に豪快なアタックを打ち込み、加点を狙いにいきます。落球すれば減点となるリスクがありますが、これは相手の技術力を信頼しているからこそのプレーといえるでしょう。

フレスコボールは豪快なフォームによるスピードや力強さ重視の『剛』、どんな悪球にも体の使い方やラケットさばきで対応する『柔』と個性が表れます。MIXは男女で行うため、同性ペア以上にお互いへ配慮の気持ちを持つ『思いやり』のプレーが色濃く出る。性差を感じさせない、垣根のないスポーツということを見てもらいたいです」

男子混戦模様のカテゴリー　鍵を握るのは落球数

松浦（左）、倉茂ペア

優勝者が毎大会入れ替わる男子カテゴリーの中でピックアップするのは、松浦孝宣、倉茂孝明ペア。

倉茂は過去ジャパンオープン6大会で5度優勝を誇る「KING　TAKA」。日本代表として臨んだ18年ブラジル選手権以来となるペアを組む松浦は、実力者ながら無冠。MCの南さんも、その実力に太鼓判を押す１人だ。

「ペアを変えようが、シーズンの調子が上がらなかろうが、ジャパンオープンでは勝利の女神は『KING』にほほ笑む。松浦選手はなかなか表彰台に縁がないですが、ブラジル顔負けのスピードとパワーが魅力。世界を知った2人が、どれだけ成長しているかが楽しみです。

他にも五十嵐恭雄、斉藤亮太ペアや芝卓史、赤塚康太ペアなど優勝候補がそろっています。勝負の鍵は落球を５回前後に抑えることでしょう。フレスコボールは落球を減らし、ラリー数を稼ぐのが基本です。日本で勝てなければ世界は見えてきません」

女子東西の2強に大学生ペアが挑む

左から宮下、山本、青木、落合、風味、宮山

3連覇が懸かる風味千賀子、宮山有紀ペアは関西、今季のオキナワカップ、アリアケカップで優勝を飾った落合真彩、青木沙耶香ペアは関東が拠点。その東西2強を大学生の山本彩佳、宮下ゆめ花ペアが追う構図となる。窪島会長は注目の女子カテゴリーで3組をピックアップした。

「風味選手、宮山選手の〝かざみや〟ペアは呼吸の合ったダイナミックラリーが武器。全カテゴリーでも間違いなくトップクラスです。ポイントは落球数を1桁に抑えられるか。特に試合序盤、2分間の安定感が重要になると思います。

対抗は今年からペアを組む落合、青木ペアで間違いないでしょう。青木選手は物怖じしない性格で、落合選手は経験豊富。落球が少ないので、アタック（強く打ち返しての加点）やバランス（2人のアタック回数のバランス）、インプレッション（攻守の切り替えのスムーズさや審判団からの印象点）で取りこぼしなく高得点を出せるかが、ポイントになりそうです。東西トップの決戦の場になるのは間違いないと思います。

そしてもう1組期待しているのが山本、宮下ペア。アリアケカップで3位に入り、今、勢いがあります。東西2強を脅かす存在になるかもしれません。う～ん、やっぱり選びきれませんね。当日が楽しみです！」

◇　◇　◇

5分間、1回勝負に委ねられる運命。今年も、その行方から目が離せない。

【提供】一般社団法人日本フレスコボール協会