<全国高校総体:陸上>◇2日◇大分銀行ドーム◇男子200メートル

 陸上男子100メートルで日本初の9秒台を狙う桐生祥秀(17=京都・洛南高3年)が、限界寸前で3冠を達成した。男子200メートルで予選を21秒48、準決勝を21秒00で通過し、決勝は20秒66の大会新記録で初優勝。100メートル、400メートルリレーとの3冠達成は、94年高橋和裕(奈良・添上)以来19年ぶりだ。

 最後はバランスを崩した。猛暑の中でこの日3本目の決勝。独走もゴール前で体がつんのめって、転倒しかけた。「けがはないですが、重さがあった。足が力不足で流れた」。レース直後は両太もも裏をさすって「パンパンすぎて爆発しそうでした」と振り返った。

 勝負がかかったレースを4日間で9本。「朝、起きたら久しぶりにドッとくる重さがあった」。準決勝と決勝の間はわずか1時間45分しかなくアップを回避。それでも結果を出し「3冠を狙っていたのでとてもうれしい。絶対に思い出に残る大会」。表彰式では視察に訪れた日本陸連の横川会長から賞状を渡された。

 短距離3種目は京都予選から27戦全勝で「高校生には負けたくない気持ちだった」。出場の可能性があった1600メートルリレーは同校が敗退したため、次は世界選手権(10日開幕、モスクワ)。「疲労を抜いて1本のレースに集中できる体をつくりたい」と大舞台を見据えた。【益田一弘】