<全国高校総体:新体操男子団体>◇9日◇東京・代々木第1体育館

 3つ子の佐藤綾人、颯人、嘉人(1年)を擁する名取(宮城)が初の8位入賞を果たした。決勝は、ほぼノーミスの演技で、本多和宏監督(35)も「これ以上ない良い出来」と評価。チーム過去最高の18・575点をマークした。

 佐藤3兄弟を含む名取6選手が、練習通りの見事な演技を披露した。ヒップホップ調の曲の場面では、会場から手拍子もわき起こる。あこがれの舞台で18・575の高得点。3兄弟の次男颯人は「今までで1番の演技ができた。笑顔で終われたので満足です」と充実した表情だ。

 個性が光った。組技やタンブリング(跳躍、回転)は「まだまだ弱い」と、三男の嘉人が言うように全国では課題になる。だが本多監督が約3カ月かけて構成を練ったダンスでは、息のあった表現力でほぼ満員の会場を魅了した。

 前日8日の個人種目別のクラブで5位に入賞した長男綾人は、この日もチームの中心として躍動。「夢の舞台に立ててうれしいけれど、やはり全国は甘くないと感じた」とする一方で「試合運びなど勉強になることが多かった」と収穫も口にしていた。【成田光季】