秋田男子決勝は、能代工が102-55で秋田工に快勝し、第1回大会から無傷の46連覇達成で本大会出場を決めた。右足首捻挫で先発から外れていたU-18日本代表センター中村碧杜(ひろもり=3年)が第2Q(クオーター)途中から出場。攻守で活躍し、今春就任した同校OB栄田直宏ヘッドコーチ(45)に初のウインターカップ切符をプレゼントした。女子は湯沢翔北が7年連続で全国出場を決めた。岩手は男子が盛岡市立が3連覇、女子は一関学院が優勝した。

 能代工が初戦から5戦連続の3ケタ得点で、年末恒例の全国舞台に駒を進めた。優勝を決めたコート上に先発5人の姿はなかった。残り2分で総入れ替え。全国に向けて、数多くの選手を試した栄田監督は「夏よりも、もっと走れるようになった」とお家芸の対人防御に手応えを示した。

 チーム最長身197センチの中村が大会1週間前の練習で右足首を捻挫。途中出場で慣らし運転を続けてきたが、第2Q序盤から今大会最長の約20分間出場。第3Q3分過ぎには華麗なダンクシュートも決めた。ポストプレーを含む2点シュート6本で計12得点。中村は「まだ痛みは残っていますが、調子は戻ってきました」と復調をアピールした。

 センター斉藤大輔(3年)とともに1年時からベンチ入り。今夏はU-18日本代表に選ばれ、韓国代表との親善試合も経験した。長身ながら、ドライブ攻撃も見せる中村は「細かいプレーや素早い動きで自分の持ち味を生かしたい」と意気込む。チームは過去、ウインターカップ優勝20回の全国トップの実績を誇る。だがここ10年、優勝から遠ざかっている。今夏の全国高校総体8強。国体は東北総体で敗れる悔しさを味わった。中村は「(高校)3年間のラストなので優勝してみたい」と闘志を燃やす。

 現3年生入学の13年春からアシスタントコーチを務め、監督就任後初のウインターカップ出場を決めた栄田監督は「実直に自分たちの最善を尽くせば結果はついてくる。プレーの選択肢は彼らにある。挑戦しがいのある状況を作っていきたい」と名門復活に導く。【佐々木雄高】