世界ジュニア覇者女子57キロ級の舟久保遥香(17=山梨・富士学苑高2年)が初の高校日本一に輝いた。決勝では中学時代から武器とするオリジナルの寝技で一本勝ち。2位に終わった昨年大会の雪辱も果たした。20年東京五輪を見据え、今年はシニア撃破を目指す。

 舟久保は「自分でもどっちか分からないです」と答えた。決勝の寝技での決まり技は肩固めだったが、実際は肩を固めていない。むしろ「いつもは崩れけさ固めとされるんですけど…」。審判も判定に困る「舟久保固め」の開眼は中学3年。うつぶせの相手の返し方を研究するうち「いつの間にかそうなっていた」。

 通常は相手の裾などを持つ手を、相手の道着の中に入れて内側からつかんでひっくり返し、そのまま抑え込む。「(内側の道着を)持ったら決まりますね」と自信作。昨年からロープを使った筋トレも取り入れ、普段着もサイズアップした腕っぷしで威力は増した。

 立ち技の課題も口にしたが、東京五輪の星は「20年の会場なので絶対に勝ちたかった」と意欲十分。女優の能年玲奈似の容姿も注目されるが「そっちはあまり…」。試合用に刈り上げた後ろ髪を「仕上げてきました」と笑う強カワ娘は、容姿ではなく柔道で魅せる。

 ◆舟久保遥香(ふなくぼ・はるか)1998年(平10)10月10日、山梨県富士吉田市生まれ。柔道は友達がやっていたので6歳から。富士学苑中では13年全国中学大会で山梨県勢として初制覇。富士学苑高に進学後、14年アジアカデ、15年全日本ジュニア、15年世界ジュニア優勝。得意技は寝技、大内刈り。162センチ、57キロ。