男子テニスで世界6位の錦織圭(26=日清食品)が、初めて日本一のスポーツ長者となった。米経済誌フォーブスは8日、この1年の収入による16年スポーツ選手長者番付を発表。錦織が3350万ドル(約35億2000万円)で日本勢最高位の29位に入った。米大リーグの田中将大投手(27=ヤンキース)は2300万ドルで74位。1位は8800万ドルを稼いだサッカーのクリスティアノ・ロナルド(31)だった。ボクシングのメイウエザーとゴルフのウッズ以外が首位になるのは16年ぶり。(1ドル=105円、15年以前は当時のレートで換算)

 ついに世界の“エア・ケイ”が、日本で最も稼いだスポーツ選手に躍り出た。フォーブス誌の試算では、錦織は昨年6月1日以降の1年間で、賞金総額が350万ドル(約3億6800万円)、スポンサー収入が3000万ドル(約31億5000万円)あった。合計3350万ドル(約35億2000万円)で、世界のトップアスリートが居並ぶ中で29位にランクインした。

 錦織は現在、所属の日清食品やウエア契約するユニクロなどを含め、16社と契約を結んでいる。賞金は今年だけでジョコビッチ(セルビア)マリー(英国)ナダル(スペイン)に次ぐ4番目で、173万6094ドル(約1億8200万円)を稼ぎ出した。15年は賞金総額450万ドル(約4億7300万円)、スポンサー収入1500万ドル(約15億8000万円)の合計1950万ドルで92位。賞金を100万ドル減らしたが、スポンサー収入が倍増し、大幅に順位を上げた。12年にイチロー(当時ヤンキース)がマークした39位、2400万ドル(約19億2000万円)をともに上回った。

 しかし、当の本人は「お金のことはよく分からない」と、まったくの無頓着。パリで趣味のファッションの買い物をするぐらいで、最近の大きな買い物といえば、拠点の米フロリダに自宅を建てたぐらい。好物はラーメンにノドグロと、庶民感覚は変わらない。

 ◆フォーブス(Forbes) 17年にB・C・フォーブス氏によって米国で創刊された世界有数の経済誌。アジア版、日本版など、30以上の国際版がある。スポーツだけでなく、世界長者番付、各国の長者番付、世界に最も影響を与える人物番付などで有名。