ショートプログラム1位の本田真凜(15=大阪・関大中)がフリーで129・94点の高得点を記録も、合計195・06点の2位で紀平梨花(14=関大KFSC)に屈した。

 一時は39度の高熱にうなされるなど、大会前の体調不良を経て臨んだ戦い。ノーミスで演技を終え「すごく自分の演技に対して『良かった』という気持ち」と振り返った。

 始めは控えめな気持ちだった。西日本選手権に進めるのは上位11人。本田の力があれば安易な数字だが、体は全快とはいかず「11番に入ればいい」と捉えていた。だが、直前で紀平が130・74点という驚異の得点を出した。「歓声は聞かないようにしていたけれど(アナウンスの)点数が聞こえてきたらすごく良くて。『やるしかないでしょ』となった」。演技前の氷上では紀平と共に指導を受ける浜田美栄コーチ(56)からも言葉を授かった。

 「梨花ちゃんが真凜を強くする」

 濃いピンクの衣装に身を包み、名曲「Romeo and Juliet」のメロディーに乗った。冒頭のトリプルルッツを決めると、フリップ-トーループの連続3回転にも成功し、本田は「ジャンプ2本の後はバテてどうなるかと…。体だけが動いて、全部ジャンプを跳べてノーミス。こういう体調の中でこれだけの演技ができた」。闘志をかき立てたのはライバルの存在。「梨花ちゃんの点数がスイッチを入れてくれた」とうなずいた。

 この日の午前には、6人中6番目で2季連続のジュニアグランプリファイナル出場が決定。「運で決まったから、優勝しかない」と意気込む。毎日共に練習する紀平の存在を本田は素直に意識した。「耐えて、最後のいいところを取りたい」。切磋琢磨(せっさたくま)が2人の力を引き上げる。