関東対抗戦3位の明大が、関西リーグ3位の京産大に7回目の対戦で初黒星を喫した。前半の立ち上がりに猛攻を見せ、12-0と主導権を握った。しかし、FW戦のモールやスクラムで劣勢を強いられ「重戦車FW」の面影は消えていた。後半28分に逆転トライを許し、丹羽政彦監督(48)は「1年間やって、明治大学として自分たちの形を作れなかった。大学チャンピオンに持って行けなかったのは私の責任です」と渋い表情で振り返った。

 焦りは2点ビハインドの後半20分過ぎに凝縮されていた。後半22分。相手ゴールまで約15メートル、左中間で得たペナルティーでPGを選んだ。フランカー桶谷宗汰主将(4年)は「自分たちがビハインドの状況で焦ってしまう気持ちが出てきた。余裕を持つために、3点でも取って、焦らない状況を作りたかった」。ここではSO堀米航平(3年)がキックを失敗し、アウェーの地は沸いた。直後の同25分に堀米がPGを決め、22-21と逆転するも、京産大が受けたダメージは少なかった。

 京産大のフランカー真野拓也主将(4年)はその時の心境について「正直に言うと自陣で頑張る(明大の攻撃を受ける)のがきつかった。そこで(PGによる)点を取られても、敵陣に入ったらチャンスがあると思いました」。丹羽監督が悔やむ「自分たちの形」が、伝統の強力FWによるモールやスクラムでの圧倒であれば、しつこくトライを狙う選択肢もあったかもしれない。

 桶谷主将は会見の最後に「攻撃していて、自分たちがやろうとしていることをきちんとやれば勝てたゲームだと思った。京産大がどうというより、冷静にこっちのラグビーができなかった」と悔しさをにじませた。全国のラグビーファンをうならせてきた伝統校明大の16年度が、志半ばで終わった。