御前弾&アシストで生き残り猛アピール。女子日本代表「スマイルジャパン」として2月のアジア最終予選で平昌五輪出場権獲得に貢献した西武FW床秦留可(とこ・はるか、20=釧路市出身)が、準決勝で1ゴール1アシストと気を吐き、2年連続12度目の優勝に王手をかけた。日本代表山中武司監督(46)が視察する中、今大会3戦5発5アシストの大爆発。今月28日に発表される世界選手権(4月15日開幕、オーストリア)代表入りへ、強烈なインパクトを残した。

 波瑠似の美女ハンターが鮮やかな一撃でチームを2年連続決勝に導いた。1-0の第2ピリオド1分6秒、床秦が右サイド、角度のないところから思い切ってスティックを振り抜くと、相手選手の間をすり抜けゴール左に突き刺さった。

 「今までは打たなかった位置。でも代表の練習で、いろんなところから打っていけばチャンスが広がるということを学んだ」。五輪予選で培ったスマイル流で貴重な2点目を挙げると、2-1と1点差に詰め寄られた34秒後の第3ピリオド8分56秒、FW江口の3点目をアシストし、試合を決めた。「1点取られて嫌な雰囲気だった。パワープレーだったし、決めるという強い気持ちでいた」。勝負どころで確実に仕事をこなし、連覇に王手をかけた。

 平昌まで1年を切った。ここからはすべての大会が五輪へのサバイバルタイムだ。まずは28日に控えた世界選手権代表発表に向け「1試合も無駄にできない。常にアピールしていきたい」と気を引き締めた。

 3年前のソチ五輪は、大会直前まで姉の亜矢可とともに代表入りしていたが、本番直前でメンバー落ち。「自分よりも五輪に行った姉がショックを受けていた。今度は何としても一緒に五輪にいって、家族みんなで盛り上がりたい」と雪辱切符を見据えた。

 まだ20歳と若いが、西武のチームメートで「氷上の澤穂希」ことエース久保を追うように、着実に力を付けている。西武の八反田孝行監督は「久保に引っ張られ、いいシュートが増えている。五輪最終予選でも自陣で床が持つと良い形でシュートまでもっていけていた」と成長を口にした。

 2月は五輪予選後にアジア大会と国際大会が続き、体格差のある海外選手に勝つすべを見いだした。「実際に外国人選手とやり、当たるときの体の使い方が分かってきた」。吸収力抜群の若手成長株が決定力、フィジカル面とダブルで売り込み、平昌への道を切り開いていく。【永野高輔】

 ◆床奏留可(とこ・はるか)1997年(平9)3月16日、釧路市生まれ。釧路昭和小-東村山第一中(東京)-法大。競技歴14年、西武所属のFWで世界選手権に2度出場。父泰則さんも元日本代表DFで、姉亜矢可は同じ西武のDF。血液型はB。167センチ、64キロ。