歌手吉田沙保里!? レスリング女子日本代表と柔道女子日本代表の「最強軍団」が10日、都内で合同練習を行い、五輪3連覇の吉田沙保里(34)が母校で副学長を務める至学館大の校歌「夢追人」を熱唱した。

 圧巻だった。4年ぶりとなる両代表の合同合宿で、日本レスリング協会の栄和人強化本部長があいさつ後に、なぜか「夢追人」の熱弁を始めた。その後、歌手伊東真紀が熱唱するが、機材不良により音が切れたりするなどのハプニングが連発。再度、最初から歌い直し、終盤には吉田がノリノリで熱唱した。「最初から歌ったら歌手の方に申し訳ないので、どこで入ろうか悩んでいました。こういうところから気持ちを鍛えないといけない」とハキハキと振り返った。

 同曲を聞いた両代表は対照的だった。レスリング代表は手拍子して、柔道代表は聞き入っていた。柔道女子代表の増地克之監督は「やはり、あれぐらい度胸がないと。校歌が分からなくても手拍子ぐらいしないと…」と柔道選手の消極的な姿勢を指摘した。

 レスリングからは土性沙羅や川井梨紗子のリオ五輪女王らも参加し、ペアを組んでスパーリングや投げ技などを約2時間行った。吉田も今夏の世界選手権に出場する48キロ級の近藤亜美やホープの52キロ級阿部詩とスパーリングを行い、圧倒的な力の差を見せつけた。近藤は「体幹がとにかく強い。全く体が浮かない」と惨敗を認めた。

 同曲は吉田と伊調姉妹らの友情物語をモデルに作られた。学校名や校歌の定番の詩も出てこないアップテンポの曲で「J-POPのようだ」と話題にもなった。吉田の公式ブログのタイトルも「夢追人」になっている。