世界4位のラファエル・ナダル(31=スペイン)が区切りの全仏10度目の優勝を遂げた。同3位のスタン・バブリンカ(スイス)に6-2、6-3、6-1の2時間5分で快勝した。10度目の優勝は、68年オープン化以降、ナブラチロワのウィンブルドンと並んでいた4大大会の同一大会の最多優勝記録を更新した。12日発表の最新世界ランキングで、14年10月以来の2位に復帰した。

 ナダルはマッチポイントが相手のミスで決まると顔を覆い、崩れ落ちた。「感動で言葉が見つからない。10度目の優勝は特別な気持ち」。優勝杯に加え、10回優勝記念杯も抱き締めた。3年ぶりに4大大会のタイトルを手にし、18度のフェデラーに次ぐ、単独2位の15度となった。

 7試合で1セットも落とさない「パーフェクトな大会だった」。クレーコートが多いスペイン出身のナダルは、球足が遅く守備力を生かせる赤土の全仏で無類の強さを誇る。全仏通算は79勝2敗。ツアー73度優勝のうち、クレーでは1968年のオープン化以降単独最多の53度とした。

 15年には世界ランクが10位に転落。昨年は、左手首のケガで、3回戦を戦わずに棄権。10月の上海を最後に、ツアーから離脱した。ナダルは終わったとも言われた。しかし今年は、この全仏を含め得意の赤土で4大会優勝。成績だけで見れば、完全に復活した。【吉松忠弘】