2020年東京五輪で馬術、水泳、フェンシング、複合(射撃とランニング)で争う近代5種について、最終順位が決まる2日目は全ての種目を味の素スタジアム(東京都調布市)で実施する方向で大会組織委員会が調整していることが16日、関係者への取材で分かった。国際近代5種連合が人気アップや観客増を目的に同一会場での開催を強く要望しており、日本協会は「五輪史上初の試み」としている。

 男女とも2日間で争う想定。スタジアムの中央に馬場を設け、ピッチの横に異例の仮設プールや、フェンシングのピスト(舞台)などを配置する大掛かりな計画だ。費用が課題となるものの、観客は種目ごとに移動する必要がなくなる。昨年のリオデジャネイロ五輪は水泳が別の会場だった。

 フェンシングは1日目に総当たりのランキングラウンドを計画通りに武蔵野の森総合スポーツプラザ(調布市)で実施するが、スタジアムでは勝ち抜き戦のボーナスラウンドを行う。

 この競技は近代五輪の創始者、クーベルタン男爵が考案した伝統的な競技。日本協会の野上等専務理事は「(同一会場での全種目実施は)競技の流れを知ってもらうことで多くの方に魅力をアピールできる良い機会になる」と話している。