ヤマハ発動機は38-10で豊田自動織機を破り、8季連続開幕2連勝を飾った。勝ち点は9に伸ばした。相手に先制トライを許すも、WTBゲラード・ファンデンヒーファー(28)、フランカー山路和希(27)がトライを奪い、前半のうちに逆転。後半はFW陣がスクラムで奮闘し、リードを広げた。9月2日の次戦では王者サントリー(東京・秩父宮)と対する。

 前半8分、ヤマハ発動機は先制トライを許した。だが同19分、中央のラックから左サイドに展開。WTBファンデンヒーファーがボールを受けると一気に加速し、左隅に2戦連続トライを奪った。同26分には山路が体を張り、キックチェイスで左隅にトライを決め、前半を12-10で終えた。

 スクラムでは後手に回った。前半は6回のスクラムで4度の反則を取られた。開幕節のトヨタ自動車戦でも最初のスクラムで反則を取られ、序盤のスクラムは受け身になっていた。フッカー日野剛志(27)は試合前、「(開幕節の)前半は良くなかったが、後半は気持ちを切り替えて押せた。第2節では最初から押していきたい」と意気込んでいたが、思わぬ苦戦を強いられた。

 後半は一転、FW陣が奮起。相手に圧力をかけ続け、早々に故意にスクラムを崩す「コラプシング」の反則を誘発した。タッチキックを選ばず、その後もスクラムで押し続けて、後半8分、敵陣ゴール前のスクラムで認定トライ。息を吹き返したFW陣がさらに流れを呼び込んだ。

 次戦は王者サントリーが相手だ。序盤戦のヤマ場になる。昨季はともに開幕12連勝の全勝対決になり、24-41で敗れた。最初のスクラムでターンオーバーを許し、得意のセットプレーで相手にペースを握られた。今季スクラムコーチに就任した田村義和コーチ(38)は「あれがシーズンのあやだったと思う。FW陣は悔しくて忘れられない試合に感じているはず」と言った。リベンジに燃えるFW陣を軸に王者撃破を狙う。【大野祥一】