世界ランキング6位の日本は、初戦で同10位の韓国を3-0で下し、白星スタートを決めた。ウイングスパイカー(WS)野本梨佳(25=久光製薬)の強打で主導権を握ると、第3セットはジュースに追いつかれながら振り切った。3日に誕生日を迎えたばかりの中田久美監督(52)は野本の活躍を高く評価した。大会は4年に1度開催され、リオ五輪金メダルの中国を含む各大陸王者など6チームが総当たりで争う。

 WS野本が今まで抱えてきた悔しさを一気に吐き出す第1セットだった。310センチの最高到達点はチームトップ。さらに右の強打は好調で、韓国のブロックを力強く抜いていった。「私はサーブレシーブしなくていい分、絶対に攻撃で点を取ろうと思っていました」。11点目から3連続スパイク。「チームに勢いをつけたかった」。15点目ではブロックを決め、中盤の連続得点で流れを呼び込んだ。

 昨年のリオ五輪では代表から外れ、同期の長岡や石井優が活躍する姿をテレビで見ていた。「本当に応援していました」。同時に「いつかは自分も全日本で戦いたいなと思ってました」。試合後、言葉を選びながら当時の心境を笑顔で語った。

 試合前は「ソワソワ」していたというが、試合が始まると覚悟を決めたのか「楽しかった」とけろり。抜てきした中田監督は「全日本としての積極性や責任感も出てきた」と高評価だった。今大会は中国や米国、ロシア、ブラジルの強豪がひしめく。新しい五輪サイクルで最初のビッグタイトル。その初戦で結果を出した野本が、貴重な得点源となってくる。【井上真】