女子1500メートルで、中長距離のエース高木美帆(23=日体大助手)が低地リンクでの自己新となる1分54秒68で優勝した。2位の14年ソチ五輪覇者ヨリン・テルモルス(オランダ)に0秒76差をつける快勝だった。この種目では昨年12月のW杯アスタナ大会に続く2勝目。第1日の女子団体追い抜きに続く優勝で、W杯開幕戦から平昌五輪に弾みをつけた。

 23歳の勢いが止まらない。高木美が圧倒的な強さで、1500メートルを制した。ソチ五輪覇者テルモルスを抑え、同組で同五輪銀メダルのブスト(ともにオランダ)には2秒以上の大差をつける。昨季のアスタナ大会以来となるW杯2勝目。層の厚い1500メートルで世界と戦える力を証明した。

 「全体を通して落ち着いて滑れたが、まだ初戦。1番を取ったと思えるのは、みんながそこにかけてきたレースで勝った時だと思う」。浮かれることなく話したが、個人競技での五輪メダルもしっかりと狙いを定めている。今季は、これまで抑え気味だった序盤から仕掛けるレースを意識。この日も300メートルを全体4位の25秒50で入り流れを作ると、得意の後半も伸びのある滑りをキープし、最後の400メートルはただ1人30秒台で滑りきった。

 10月の全日本距離別選手権での1分55秒44の国内最高記録に続き、低地リンクでの自己新。W杯初戦から海外勢を圧倒するレースを見せつけた。10年バンクーバー五輪に15歳の史上最年少で出場も、14年ソチ五輪は国内選考会で落選。はい上がってきた中長距離のエースが、92年アルベールビル五輪の橋本聖子以来となる同種目でのメダル獲得を視界にとらえた。【奥山将志】