ブラジルGP決勝を8位でフィニッシュしたフェルナンド・アロンソは、レースのほぼ全てをフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)の後ろで過ごしたもののオーバーテイクは不可能だったと語った。純粋な速さではウイリアムズを上回っており、コーナーが連続するセクター2で背後に着くことができたが、ストレートの最高速が遅く追い抜きはできなかった。

 「レースを通してクルマは素晴らしかったけど、パワー不足でオーバーテイクすることは難しかった。最終コーナーでは何度かフェリペにかなり接近することができたけど、DRSを使っていても(メインストレートでは)引き離されてしまうくらいで、ストレートエンドでは遠すぎたよ。後ろからチェコ(セルジオ・ペレス)がすごい速さで追い付いてきていたから、順位を失うことなくチェッカーを受けられて良かったよ。ハッピーな週末だよ」

 マクラーレンは金曜から土曜にかけてダウンフォースを増やし、その結果としてコーナーを速く走ることができるようになったが、空気抵抗が増えて最高速は10km/h近く下がってしまった。1周のタイムではそれが有利に働いたが、レースでのバトル競争力は厳しくなった。

 スタートで5位に浮上したアロンソだったが、6周目のセーフティカーからのリスタートでマッサに抜かれ、その後は前を塞がれる結果となってしまった。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、次のようにレースを振り返った。

 「(3強チーム6台具に次ぐ)第2集団のトップを争えたことは良かったと思いますし、最終的にその2番手のポジションを守り抜くことができましたから良いレースだったと思います。ずっとマッサの1秒以内についてDRS(空気抵抗低減装置)を使って、それを上手く使ってペレスに抜かれないように走っていたフェルナンドの走りは彼でなければできない芸当、神業ドライビングだったと思います。しかしマシンはウイリアムズよりも純粋なペースは速かったので、前がクリアな状況ならどんなレースができたか、見てみたかった気もします。次の最終戦アブダビGPでは、マクラーレン・ホンダとして実力を出し切って終わりたいという気持ちです」

(米家峰起通信員)