世界選手権女子78キロ超級銀メダルの朝比奈沙羅(21=東海大)が念願の「世界女王」の称号を手にした。決勝で世界ランキング2位のツェリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)を下し、優勝した。得意の支え釣り込み足から押さえ込みにつなげる“必勝パターン”で全4試合一本勝ちした。最大のヤマ場は準決勝のオルティス(キューバ)戦だった。世界女王に3度輝いた相手に対して安定した試合運びを展開し、最後は縦四方固めで勝利した。

 世界選手権後の初試合となり「悔しい気持ちを忘れず、しっかりと無念を晴らしたい」と意気込んで臨んだ。柔道界では異例の優勝賞金約1000万円も獲得した。

 20年東京五輪後に医学部入学を目指しており、9月末に東海大女子柔道部を「卒部」してから独自の活動を続けてきたが、早速結果につなげた。次はグランドスラム東京大会(12月2~3日、東京体育館)に出場する。

 男子は王子谷剛志(25=旭化成)が3位、影浦心(21=東海大)が5位だった。