前節に2連覇を決めていた天理大が、全勝で優勝に花を添えた。

 前半はほとんどが守りの時間だったが、ラックに人をかけず、1人1人の素早い起き上がりで防御網のほころびを埋め続けた。同大の多彩な攻撃にひるむことなく、後半12分のフランカー島根一磨(3年)の逆転トライなど計5トライを奪った。1試合平均7・7失点の堅守にもCTB王子拓也主将(4年)は「同志社のやりたいようにやらせてしまった。(攻撃を)止められてはいるけれど、球を継続させてしまっている」と課題を挙げた。

 全国大学選手権での打倒関東勢に向けて、天理大に与えられた宿題は“メリハリのある防御”だ。小松監督が「システムはタックルもリロード(その後の素早い起き上がり)も問題ない」と評するように、ここまでの戦いで簡単にトライを取らせない規律は確立された。だが、帝京大や東海大など関東の強豪は、その防御網突破をもくろむ外国人選手などインパクトプレーヤーが多く存在するのも事実だ。

 指揮官は「今は(防御し続けて)相手が根比べで(ミスをして)負けてくれているけれど、ここからは最後にトライまで持って行かれる」と警戒。王子も「(防御側の)こっちから前に出たり(一気のボール奪取を狙う)見極めをしていきたい」と今後の課題を整理し、全国の舞台に向けてさらなる成長を誓った。