日本スケートボーディング連盟副代表理事で村上市在住の平野英功さん(46)は、20年東京五輪の新種目となったスケートボードを日本に根付かせるべく奔走している。「競技の魅力、特殊性を減らすことなく、カルチャーからスポーツとして確立する。助成金に頼るのでなく、自立の仕組みは作っていかないといけない」と話す。

 一般にはなじみが薄い競技の普及へ、切り札と期待しているのが移動式のスケートボード施設だ。一般社団法人「健康ビジネス協議会」や行政から寄付金などサポートも受けながら約1500万円を掛けて、昨年9月に完成させた。高さは約4メートルあるが、パーツを細かく解体できる。従来、競技を披露できる場所は、専用の固定されたスケート場に限られていたが、全国どこでも仮設によるステージが設置できるようになった。

 これにより多くの人が集まる場所への出張イベントが可能になった。10月下旬には、朱鷺メッセ(新潟市)で大会や体験イベントが開かれ、東京・渋谷区での東京五輪1000日前イベントでもデモンストレーションが実施された。競技の魅力を感じてもらうチャンスが広がった。

 今後は規模拡大を目指し、日本最大級のロックイベント「フジロック」など、多くの人が集まるイベントと融合する青写真を描く。シルク・ドゥ・ソレイユのような「ショーができるようなプロ集団を作りたい」。19年春には、自身が作った屋内練習施設「日本海スケートパーク」も国内最大級の規模となってリニューアルオープンする予定だ。【上田悠太】