首位に劇勝した。東地区5位の青森ワッツが同1位の秋田ノーザンハピネッツを71-70で破った。試合終了まで残り10秒でターンオーバーを許した結果、残り3秒で2点シュートを喫して68-70と勝ち越されたが、残り1秒で会田圭佑(22)の3点シュートが決まり、手に汗握る試合に終止符を打った。

 会田は笑顔で劇的シュートを振り返った。「また相手に決められて、みんな諦めていたと思う。打つしかないと思った」。きれいな放物線を描き、ボールはゴールに吸い込まれた。サポーターのどよめきが会場を覆った。「KB(カイル・バローン)があげてくれて気持ちよかった」と仲間からの手荒い祝福を喜んだ。

 61-67と惜敗した9日夜、佐藤信長ヘッドコーチ(HC、47)は会田に、ミーティングで10分間「きゅうを据えた」という。1年目の司令塔は役割を果たせず、7得点に終わった。「後半の出だし、相手のプレッシャーを受けてボールを運べなかった」と反省。この日は果敢に攻め、両軍最多の23得点。「首位に勝ったのは本当に自信になる」と語った。

 順位は5位のままだが、秘める力は他にも示した。この節から合流したラキーム・ジャクソン(27)が躍動。佐藤HCは「彼が第4クオーター(Q)でいいつなぎをした。アジャストすれば、もっと面白くなる」と新戦力を評価し、巻き返しを期した。【秋吉裕介】