柔道のグランドスラム(GS)東京大会女子63キロ級金メダルの田代未来(23)が12日、新たなスタートを切った。世界ランキング上位者によるマスターズ大会(16~17日、ロシア・サンクトペテルブルク)出場のため成田空港から出発し、「GS東京の優勝がゴールではない。もっともっと、レベルアップしたいし、(GS東京大会の)優勝がまぐれと思われたくないのでそれ以上の力を出したい」と気合を入れた。

 リオデジャネイロ五輪は5位でメダルを逃した。昨年11月には左手首を手術し、リハビリを経て今年6月に実戦復帰。しかし、同階級は国際大会での成績不振により今夏の世界選手権の代表派遣が見送りになった。今大会は3連覇が懸かり、優勝を最低条件としたが「3連覇!? 忘れてました。その間にいろんなことがありすぎて、新たなスタートと捉えています。柔道が楽しいし、試合が出来る喜びを感じています。1日1日前に進むだけです」。充実した表情でこう言った。

 女子代表の増地克之監督(47)は63キロ級の現状について「まだまだ。代表選手の力が海外でどれだけ出来るか再確認したい。楽しみにしています」と話した。

 田代の所属の後輩で世界選手権女子57キロ級銀メダルの芳田司(22=ともにコマツ)も同便で出発。芳田はGS東京大会で3連覇を達成し「先輩と一緒に優勝出来てすごくうれしかった。この勢いのまま、マスターズでも一緒に優勝したい」と、“コマツコンビ”でのダブル優勝を誓った。