カーリング男子のSC軽井沢クが、今年世界選手権銅メダルのスイス五輪代表チームから初勝利を挙げた。D組3戦目でスキップ両角友佑(32)を軸にシーソーゲームを展開。第7Eに相手のミスから4点を獲得して8-4。スキップのピーター・デクルーズ(27)がけがで不在だった相手にきっちり勝利した。これでD組唯一の3連勝で1次リーグ突破も決まった。男子20年ぶりの五輪出場となる平昌(ピョンチャン)に向けて、大きな弾みをつけた。

 大喜びはしない。スキップ両角友は「スキップが抜けているチームには勝たなきゃと思った」と言った。大黒柱不在のスイス五輪代表チーム。第7Eまでしのぎ合いを続け、最後は相手が投じたラストストーンがハウス内に届かず4点をゲット。両角友は「しっかり耐えればいつかチャンスが来ると思った。あのショットを選ばせたことがよかった。代表に勝ったことはメリット」。世界選手権銅メダルの強豪から初勝利だ。

 両角友は「1センチの精度」と口にする。16年世界選手権は4位で表彰台にあと1歩、届かなかった。今月上旬にはカーリング大国カナダの五輪代表選考会を動画サイトで観戦。「1センチの精度じゃないと、あの人たちに勝つのは厳しい。僕たちは(カナダに)勝つチャンスが常にある実力を身につけたいので」。男子は女子に比べて大量の石がたまる展開が多い。ハウス内に両軍の石が入り乱れると、1センチの微差が大量得点と大量失点の大差につながる。

 五輪本番に向けて“えさ”もまいた。五輪で戦う相手に、自軍の特徴を見せつけて、頭に刻み込ませることだ。この日は意識してスピードが速いショットを選択した。「相手が警戒すれば、作戦の立て方も変わってくる。その方が有利でやりやすいと信じている」。ただちょっぴり不安もある。「今日は(スイスの)スキップがいないのでどれぐらいか…。ちゃんと帰って、伝えてほしいですね」と笑っていた。【益田一弘】